APSYSの概要
APSYSは半導体デバイス用の汎用2D/3D有限要素解析・設計ソフトウェアです。
半導体デバイスのための柔軟な設計・シミュレーション環境に加え、多様な物理モデルが
APSYSには組み込まれています。
APSYSは、ユーザーが独自の物理モデルを開発できるように設計されています。
APSYSの主な機能
APSYSでは、一般的に用いられている輸送方程式と同様に、流体方程式と熱輸送方程式も自己無撞着的に解かれます。APSYSで出力されるデータは以下の通りです。
- 電流−電圧(I-V)特性
- ポテンシャル、電場、電流の2次元分布
- 流体力学モデルにおけるホット・キャリア温度の2次元分布
- 熱輸送モデルで用いられる格子温度の2次元分布
- 様々なバイアス条件のもとでのバンド図
- 任意の周波数帯における交流微小信号応答解析の結果
- 荷電子混合モデルを用いた量子井戸のサブバンド
- 半導体中の深いレベルにトラップされた不純物占有数と密度の2次元分布
- 光検出器などの光デバイスの2次元光学場分布
- LEDの自己放出スペクトルの電流依存性
APSYSの適用例
APSYSは半導体レーザー(当社の製品LASTIPとPICS3Dでシミュレーションが可能です)を除く
ほとんど全てのデバイスの設計・解析に用いることができます。
APSYSは次のようなシリコン、化合物から成るデバイスの設計に用いることができます。
- シリコンMOSFET、バイポーラー・トランジスター、CCD
- SiGe HBT、AlGaAsとInGaAsPから成るHBT
- GaAs MESFETと全ての種類の光検出器
- 多重量子井戸を含んだデバイス
APSYSの優れた機能
APSYSは2D/3Dのシミュレーターで、ポアソン方程式、電流の連続方程式、
キャリアエネルギー輸送方程式、光導波路デバイス(導波路光検出器)のための
スカラー形式の波動方程式を自己無撞着的に解きます。
APSYSは次のような物理モデルと優れた機能を含んでいます。
- 電場、又はエネルギーに依存した移動度を持つホット・キャリアの流体力学モデル
- 柔軟な設定が可能な熱境界条件と、温度依存性を含んだパラメータを用いた熱輸送方程式
- 傾斜、又は急峻な形状のヘテロ界面や量子井戸間のキャリア輸送のための熱電子放出モデル
- 電場、又はエネルギー依存性を持った衝突電離係数を用いた衝突電離モデル
- 深いレベルにトラップされた不純物とその動力学モデルは、半絶縁体と絶縁体の正確なモデルにも適用できるように設計されています
- 境界面での状態は、表面フェルミ準位のピン止め、境界面での再結合、固定された電荷を考慮して精密に計算されます。
- 電場に誘起された電離不純物の Frenkel-Poole モデルがいくつかの新素材のために組み込まれています
- 77K以下の低温におけるシミュレーションも実行可能です
- 光ガイドモード(多重モードモデル)は任意の複素屈折率分布について計算が可能です
- 歪み入った量子井戸(バリア)の量子サブバンドはk・p理論を用いて計算されます
- ホット・キャリア輸送
- ヘテロ界面と量子井戸モデルの他、多数用意されています。